プロフェッショナルな図書館司書を目指して

図書館司書のイメージ

 

行政からも、実際に利用する市民からも、図書館司書自身も、専門的技能を持ったプロフェッショナルでありたいと願うのは当然のことです。しかし、司書という職業柄なかなかそのようなイメージを持たれ難いといった特徴があるのも、また否定できない事実です。

 

司書養成といった観点から見ても、日本においてこれほど簡単に取れる国家資格も珍しいのではないかというほど、最低限の単位で司書を数多く世に送り出しています。海外の司書に比べると、とても専門職だといえないのでは?と思ってしまう程です。

 

司書になった人の意見を聞くと、初めてカウンターに立った時のいわゆる何も分からない状態。少なくとも2年くらいの養成過程を義務付けることや、現在司書として働いている人達に対しては、専門職司書や上級司書といった試験制度を設けて能力検定を実施し、外部に対しても自分自身に対しても常に向上の姿勢を持てるものにするべきでは?と主張する人も業界内には一部存在します。

 

また仕事にもビジネス的な要素が少なく、民間企業のような厳しい視点が抜け落ちていることや医師や看護師、消防隊員のように人の命に関わるような緊張感を持った現場ではないことが要因の一つとなっているのかもしれません。

 

図書館運営や資料に対する知識が不足していても、そのことが目に見える形で露呈することがないといったことも関係しているのでしょう。地域によっては司書に専門性を期待していない利用者も一定数いるでしょう。

 

例え資格取得が容易であっても(通常の国家資格に比べて)、現場で鍛えながら専門性を身に付けていく環境が現場にあれば展望があるでしょうが、日本の公共図書館の現状を厳しい視点で見ていくと、豊富な資料・プロフェッショナルな司書集団・優れた指導体制にはまだまだ到達していないというのが本音の所でしょう。

 

こうした複数の要因がからみ合って、素晴らしい図書館司書も多数存在するが、全体を通して見るとプロフェッショナルとは言い難いという現実があるのです。ですからこれから図書館司書を目指す方には、向上心を持ってこの状況を打破し、本当のプロフェッショナルを目指して欲しいと感じています。

 

毎日の仕事の中で

 

日業務の中で、図書館論や資料論などの専門知識を応用させ、実際の仕事として活かしてくことが求めれています。特に図書館政策は他の自治体と一緒におこなっていく訳ですから、行政全般へ理解を示し、広く賛同して貰えるような専門的見識を必要となってくるでしょう。

 

例えば市政全体の総合計画のプロジェクトを進めていく状況があったとします。ここに教育文化部会に5年目の若い司書がメンバーとして参加している仮定しましょう。若い司書は優れた能力と意欲が豊富な評価の高い司書であっても、初めての行政部会へ出席して今までの図書館業務とは全く異なった勉強をすることになるのです。

 

このような試練を乗り越えることで、この若い司書は大きな成長を遂げることとなり、また司書としての仕事も広く周りに理解して貰えることとなるでしょう。このような一歩踏み込んだ業務を遂行するためには、毎日の仕事の中をただ漠然とこなすだけではいけません。意識的に取り組み、一つでも多くのこと学んでいく姿勢が大切なのです。

 

プロフェッショナルな図書館司書とは

 

1冊の本を利用者に届ける際も、細かな目配り気配り、自己精査があってはじめて今までの仕事を1歩でも2歩でも前進させる原動力となるのです。このような心持ちで意識的に改善点を見つけていく高い意識があれば、利用者が資料を見つけ出しやすい配架方法や、レファレンスの際に的確に応えられるような体制作りといった改善点や現状の問題点に対して具体的な施策を打ち出していくことができるでしょう。

 

前向きに仕事に取り組んでいけるように、検証から実施まで図書館を運営する立場の司書が責任を持っておこない、サービスを根本から支えていくことが結果、利用者や行政からの信頼に繋がっていくことでしょう。このような高い意識を持った司書を、プロフェッショナルと呼ぶに相応しいと言えるでしょう。