図書館司書の制度

司書職制度の浸透度

 

図書館法では、図書館司書を専門職員として位置づけ、資格保有者を配置すると定めています。しかしまだまだ制度化されている自治体も少なく、「司書職制度」とはいえない実態があるのも事実です。

 

司書有資格者の配置には以下の3つの方法があります。
@司書有資格者を対象とした採用試験の実施と、職種名としての司書の設置
A司書有資格者を対象とした採用試験を実施するが、職種名は一般職
B人事上、司書有資格者を配置

 

上記の@Aはまだまだ少ない実情にあります。役所で働く職員は、図書館以外への異動も頻繁に行われていますし、図書館の多くは一般事務職の配置が通例となっているからです。

 

こういった現状の中で、日本図書館協会は司書職制度の要件として以下の6項目を提唱しています。
・自治体ごとに司書有資格者の採用制度が確立されていること
・本人の意思を無視した他職への異動が行われないこと
・一定の経験年数と能力査定のもとに、司書独自の昇進の道が開かれていること
・館長および他の司書業務の役職者も原則、司書有資格者であること
・司書その他の職員の適正数配置の基準が設けられていること
・自主研修の必要性が認識され、個人、集団の双方にわたり研修制度が確立していること

 

上記は全国のそれぞれの自治体が、司書職制度を作ることを願って設けられた制度だと言えるでしょう。この中でも、司書有資格者が採用される制度の確立と、他の部署への異動がないことが極めて重要になってきます。

 

職名としての司書職制度がまだまだ乏しい現代において、司書資格の保有者を採用したり、採用された人間が図書館に優先して配属される仕組みを整えること、また引き続き図書館で働き続けることが大切なのです。

 

図書館司書の比率を高めること

 

2000年当初は、司書率34%、10年以上の職員は33%となっています。しかしこの内容を細かく見ていくと、司書有資格のうち公費で講習に行って資格を取った人は63%ですが、10年以上勤続している人は9人、一方採用前に司書資格を取得した人は37%いますが、10年以上勤続している人は10人もいます。

 

つまり採用後公費で資格を取得するよりも、あらかじめ司書資格を持った人を図書館に配属したほうが定着率は高いと言えるのです。過去、講習派遣は30年以上も続けできましたが、効率の面から見てもあまり良いものとは言えないようです。

 

また司書資格を持ち図書館配属を希望しても配置されないケースも少なくありません。現在、自治体行政では、専門性が高いものはどんどん民間に委ねるといった考えが広まってきています。さらに自治体の職員もたくさんの異なった仕事を経験することが望ましいとされ、専門的な職種を減らしていく動きが目立ってきました。

 

こういったことも図書館職員で、司書有資格者の比率が上がらない要因となっているのは間違いないでしょう。まずは司書の比率を高め、継続して図書館で働く仕組みを作ることは、司書制度を定着するうえでも、目標としなければならない課題だと言えるでしょう。